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by Qtaro-mama

子供の虫垂炎、そして腹膜炎


去年の12月12日、Q太郎は虫垂炎(盲腸)による腹膜炎で手術をしました。

こんなに小さくても虫垂炎ってなるの?と思われた人も多いでしょう。私もそう思った一人でした。でも、手術前に会った麻酔医によると、その前の週にも同じ4歳の女の子で虫垂炎の手術を受けた子がいたそうです。だから、小さいからこの病気にならないという事ではなさそうです。

それでも何も知識がなかったら、お腹が痛いと言われて、すぐに虫垂炎は思い浮かべないですよね。後半、Q太郎のお腹の痛みはひどいものでした。皆さんのお子さんには同じ痛みを味わってもらいたくないので、Q太郎の症状がどんな風に始まったかを書いてみたいと思います。




始まったのは火曜日の朝。

普段通りに起きて1人で着替えをし、朝食のテーブルについたQ太郎。「お腹が痛くて、朝ごはんが食べれない」と言う。こんな形でお腹が痛いと言うのは初めてだったので、学校には行かず休むように言った。

頭に手をやると、ちょっと熱い気もした。体温計では計らなかったけど、多分38℃前後。Q太郎はしょっちゅう熱を出すので、その事自体は気にならなかった。初めは居間のソファーで横になっていたけど、いつの間にか寝てしまったので、10時頃に部屋のベッドに運んだ。

それから夕方の17時くらいまで寝っぱなしだった。普段、熱が高い時もこんな長時間は寝たりしない。午後の早い時間に起きて、熱がありながらも遊んだりテレビを見たりする。

正確には寝続けていたわけではない。私も時々様子を見に行って、「お昼ご飯を食べたくないか?」「お水を飲みたくないか?」と声をかけた。食べたくないし、飲みたくない。お腹が痛いことを訴えることもなく、ただ眠りたいようだった。熱もそんなに高くなかったので、水も無理矢理飲ませる事はしなかった。Q太郎パパが仕事場から電話で様子を聞くので、寝ている事を伝えると、「多分、疲れてるんだろう、そのまま寝かせてあげた方が良い」と言った。

夕方17時以降はベッドから抜け出し、下のソファーでゴロゴロしていた。一度、気持ちが悪いと訴えたので、トイレに連れて行くと水のようなものを吐いた。吐き気はあっても、朝から何も食べてないので吐けないでいるように思えた。

この時まで私は「お腹が痛くなる風邪」だと思っていた。当時、周りで流行っていた。次の日、幼稚園に風邪で休む旨を電話すると「熱ですか?」と聞かれた。「お腹が痛いようです」と答えると「今、お腹が痛くなる風邪が流行ってるようですよ」と先生にも言われたくらい周りに多かった。

昼間にたくさん寝たので、夜はあまり寝れないかと思ったが、20時にはまたベッドに入った。夕飯は食べられなかった。

夜中の2時頃、Q太郎が再びお腹が痛いと言って起き出した。痛くて横になれないと言う。半袖のまま部屋のソファーに座ってボーッとしているので、上着を着せようと体を触ると極端に痛がる。

後で考えると、この時、極度の痛みがあったのかもしれない。でもQ太郎は叫ばずに、ただ座っているだけ。もしかしたら声を出すこと自体が痛くて出来なかったのかもしれない。この時、泣き叫ばれてたらどうだろう?すぐに病院に行ったかな?

叫ばれたら尋常じゃないと判断して、病院に行ったかもしれないけど、あの時のQ太郎の様子では、もしまた同じことがあってもやはり夜中に病院に行くことはないと思う。

次の日病院に行ってお腹のエコー検査をやっても、一度目は原因が特定出来なかった。二度目に別の人が二人で見て、やっとお腹の中に異常があるという事が分かった。臓器に隠れて良く見えなかったとの事。昼間でもそんな状況なので、人手の少ない夜間診療では見落とされる可能性もあったと思う。虫垂炎の初期の症状は、風邪などの症状と区別するのが難しいと何かに書かれていた。

Q太郎にとって辛い夜が明けた朝、私は医学書のようなものに目を通していた。この時点で私はただの風邪ではないと確信していた。疑いとして尿感染症のようなものではないかと考えた。

次の日、Q太郎はすでに歩く事が出来ず、パパが抱っこをしてお医者様の所へ行った。初めのお医者様はお腹を触っただけで、検査が必要なので大きな病院へ行くようにと言われるだけ。当然ながら小さなクリニックでは尿検査、血液検査など一切出来ない。

そのままQ太郎を抱え、近くの救急病院へ。そこでは痛み止めを入れてもらった為、Q太郎の様子もちょっと落ち着いたようにみえた。

虫垂炎、腹膜炎という診断はなかなか付かなかった。最終的には上に書いたエコー検査で診断が付いたが、原因が分かるといろいろな人に言われた。

「今、この子はかなりの痛みを我慢してるはずです。とにかく一刻も早く手術をしてもらって下さい。手術さえすればこの痛みはなくなりますから・・・」

その後はあっという間。書類が整い次第、すぐに手術に入ることに。夕方痛みがちょっと治まった頃、Q太郎が水を飲みたいと言うが、手術が決まっていたその時は飲ませてあげる事が出来なかった。

Q太郎はその日の朝、水を一杯飲んだだけ。その後、熱が出たり病院の中が乾燥してることもあって、かなり喉が渇いたよう。Q太郎パパと私も、朝から食べ物、飲み物を一切口にしてない状況で、同じように喉が渇いていたので、Q太郎の気持ちがよく分かった。

熱と痛みで苦しむ息子に水一滴さえ与えられない状況、ただただ胸が張り裂けそうで、これが今思い出しても本当につらかった。
Commented by みさえ at 2008-01-12 16:16 x
本当に辛い状況でしたね。
思えば 私の盲腸&腹膜炎は 
母が現役ナースだったことで 発見できたようなものです。
私も中学生だったので 痛みの種類の説明もできたし。

症状が 必ずしも腹痛で始まるわけでもないらしく
胃が痛んだり 左の下腹部や みぞおちが痛むこともあるそう。
右を下腹部を強く 指先で押して ピンポイントで痛むこと、
発熱、血液検査での炎症反応で なんとなく察しがつくようですね。

Qママさんの 冷静な観察力と行動に 脱帽です。
Commented by 雪音 at 2008-01-12 17:46 x
はじめまして。フランスの文化が好きで時々拝見しています。

私は9歳で盲腸炎の手術をしました。やはり朝から痛くて、学校を早退。近所の病院では腸炎と言われました。夕食は無理に食べたものの吐いてしまいました。それを見た母が「吐くのはおかしい」と言ってタクシーで別の大きな病院に行きました。お医者様は触診で即断、その場で手術になりました。破裂寸前だったようです。

以前、海外出張でお連れしたお客様が現地で盲腸炎になりました。その時は触診と、直腸体温(おしりで計る)がわきの下などよりも高かったので分かり、3日間氷をあて続けて散らしました。

Q太郎くんも無事退院されてなによりです。お大事に。
これからもブログ楽しみにしています。
Commented by Qtaro-mama at 2008-01-12 18:17
>みさえさん
中学生の頃かかったのですね。その頃だと痛みもはっきり覚えてるんじゃないでしょうか。
Q太郎くらいの年齢の子だと(りょうたろう君も一緒にしてごめんなさい)、吐き気があるのにお腹が痛いと言ってみたり、どこが痛いと聞かれても「お腹全部」と答えてみたり、説明がいまいちまだ詳しく出来ないよです。そうですね、盲腸は右下腹部と言われるのを後になって思い出しました。りょうたろう君も今年は病院通いが少なくてすみますように。
Commented by Qtaro-mama at 2008-01-12 18:25
>雪音さん
はじめまして。フランス文化がお好きなのですね。
病気で怖いのはやっぱり誤診断ですが、盲腸の初期はやっぱり診断が難しいとは感じました。それでも破裂となっては本当に大変ですよね。お母様は自分の子供がいつもと違うというのをすぐに感じたのでしょうね。海外での病気も大変です。大人だと盲腸は薬で散らすとも良く言われますよね。
これからもよろしくお願い致します。
Commented by かよ at 2008-01-12 22:40 x
じっと痛みに耐えているところを想像するだけで
ほんと胸が痛いです。
ウチの旦那も小さい時に盲腸をやっているので
お腹が痛い=盲腸ではないか?
と思っているみたいですが実際、自分で判断するのは難しいですよね。

ウチの息子が3ヶ月の時に1週間入院した事は前にも書いたと思いますが
「尿路感染症」でした。
始めての熱だったけどでもこんな事で大げさにする事もないし…
と構えていましたがおしっこがちょろりと出るたびに
それはそれは凄い痛みだったようです。
でも、泣き方がちょっといつもと違ったので
医者に連れて行こうと電話を入れると
「予約いっぱいです」の冷たい一言。
イギリスでは電話診断みたいのがあるので
そこに電話するとすぐに医者に行きなさいとの事。
医者の受付と大喧嘩をしてやっと診てもらうと
泣き方が異常なのですぐ大きい病院へいきなさいと診断書がでました。
で、尿検査の後、すぐ入院。24時間付き添いです。

ラッキーな事に産後から私の母がまだいてくれたので
双子のもう一人を家で見てもらうことが出来ました。
また、似たようなことが起きたら…と思うと怖いです。
Commented by U男ママ at 2008-01-12 22:47 x
勉強になりました。
私は子供の病気に対して恐怖心があります。すぐうろたえてしまいます。たぶん、U男の熱性けいれんがトラウマとなっているのだと思います。
しかし、今回のブログを読んで、落ち着いて判断することの大切さがわかりました。

話し変わって、子供のズボンですが、H&Mはソルドであってもなくても安いです。GAPは普段はそんなに安くないですけれども、ソルドになると70%オフぐらいになります。U男の長袖Tシャツなんて3,5ユーロでしたよー。暇があったら覗いてみてください。
Commented by zucchini0315 at 2008-01-12 23:14
コドモの表現によって判りにくいから本当に恐怖を体験したんだね。
周りで盲腸などの経験がないだけに、私もどう判断するか、自分でも想像できません。

こうして冷静に報告を聞かせてもらえて、本当に参考になりましたよ。
Commented by eva88 at 2008-01-13 12:47 x
Q太郎くん、よく頑張ったんだな~って感心&尊敬しちゃいました。 パパやママに心配かけちゃいけないと、彼自身気をつかってじっと痛みをこらえたのでしょうね。
ただの風邪でもびくびくする私ですが、まして盲腸の手術なんて。貴重な情報の報告をありがとうございます。参考にさせて頂きます。
Commented by yasasin at 2008-01-13 18:38
泣けました。
子供って本当に我慢強い部分がありますからね、それでも手術が間に合って本当に良かったですね。
実はこちらの虫垂炎・腹膜炎に対する病院側の対応ってのは割りと適切だと感じるんですよね。
というのも、腹痛を訴える患者にはまず最初に虫垂炎・腹膜炎ということを懸念するようです。よっぽど患者がガマンし過ぎて診察が遅れない限り、発見できないことは稀なようです。
でもやはり深夜の緊急外来だと患者の状態によっては翌日まで待たされるんでしょうけどね。
Qちゃん、これからは美味しい物たくさん食べて元気になって欲しいと思います。
Commented by Qtaro-mama at 2008-01-14 06:20
>かよさん
Q太郎がお腹が痛いというのはほとんど初めてだったので変だなとは思ったのですが、それで盲腸に結びつかなかったのはやはり周りで流行っていた「お腹の痛くなる風邪」でした。
やっぱり親って自分の子供がいつもと違うのはすぐに分かりますよね。特に赤ちゃんは泣く事しか出来ないから、医者と喧嘩してでも病院に行けて良かったです。その時はやっぱり早く傷みを止めてあげて欲しいという思いだったのではないでしょうか。お母様もまだ居てくれて本当に助かりましたね。病室が一緒になった2歳の男の子ママも、やはり1人で24時間、1ヶ月間付き添いしてました。
Commented by Qtaro-mama at 2008-01-14 06:20
>U男ママさん
トラウマになるって分かります。私もこの日の事はあまり思い出したくないというのが本音です。Q太郎も入院生活はトラウマになってるようで、退院後は暗闇の中で眠れなくなってしまいました。
子供の洋服情報ありがとうございます。H&Mはすぐにでも覗いてみよう。GAPもソルドが終わる前に行ってみようと思います。どこにしろ、男の子の洋服は女の子に比べると地味ですよねぇ。
Commented by Qtaro-mama at 2008-01-14 06:21
> zucchini0315さん
盲腸って不思議ですよね。遺伝じゃないし、なる人とならない人がいるし。私の周りでも盲腸になったという人がいません。私たちだって、これからならないとは限らないという事ですよね。
Commented by Qtaro-mama at 2008-01-14 06:22
> eva88さん
以前は注射とかでも泣いた事なかったけど、退院以降は、ちょっとの痛みにも敏感になったというか、何をやるにも大げさに騒ぐし、夜も眠れないと泣くし・・・。可哀相だと思うけど、だからといって甘やかすのも嫌で、しつけとのバランスが難しいと感じてる所です。
お子さん、世間の男の子同様、熱とか出しやすいですか?
Commented by Qtaro-mama at 2008-01-14 06:28
>yasasinさん
よく盲腸ってシクシク痛むって言いますよね。自分自身、時々、下痢とかでお腹が痛くなる事がありますが、ああいう痛みとは違うという事ですよね。盲腸の痛み、大人は結構我慢出来ると聞いた事があるのですが、Q太郎の場合、子供なのであっという間に病状が進行してしまったようです。
おかげさまで一日、一日、確実に回復しています。以前より元気になるのも目の前です。
Commented at 2012-01-06 21:39 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Qtaro-mama at 2012-01-07 14:56
>鍵コメさん
まだ病院でしょうか?
早く回復されますようお祈りしてます。
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by Qtaro-mama | 2008-01-12 06:46 | Q太郎の入院 | Comments(16)